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第33話 コレがオマエたちの価値

last update Tanggal publikasi: 2026-08-04 18:33:46

 急ぎ足で競売会会場――オペラ座を出ると、露店ろてんの連なった夜市バザールが広がっていた。

 ほんの数分前まで笑い声で満ちていたはずの夜市は、もうそこにはない。

 果物を抱えた商人は荷車を放り出し、家族連れは悲鳴を上げる子供の手を引いて逃げる。

 行き交う人々が我先にと押し合い、倒れた誰かを踏み越えて逃げて行く。

 その中心に、夜空を背負うように立つのは、三メートルを超える怪物。

 ベリアルは逃げ惑う群衆など眼中にない様子で、一軒の露店を掴み上げた。

 次の瞬間、その屋台は砂のように崩れ始めた。

 木材も、布も、並べられていた雑貨も。

 触れられた全てが色を失い、灰となって夜風へ溶けていく。

もろい』

 ベリアルはてのひらに残った灰を見つめ、退屈そうに呟いた。

『価値無き器は、触れるだけで崩れる』

 言葉と同時に近くの露店を蹴散らす。

 その風圧一つで、周囲のテントが舞い上がり、小さな瓦礫がれきが飛びすさむ。

「皆さん、下がって!」

 《コウ

 カグヤが間髪入れずに札を切り、障壁しょうへきを展開した。

 それでも勢いがついた
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     急ぎ足で競売会会場――オペラ座を出ると、露店の連なった夜市が広がっていた。 ほんの数分前まで笑い声で満ちていたはずの夜市は、もうそこにはない。 果物を抱えた商人は荷車を放り出し、家族連れは悲鳴を上げる子供の手を引いて逃げる。 行き交う人々が我先にと押し合い、倒れた誰かを踏み越えて逃げて行く。 その中心に、夜空を背負うように立つのは、三メートルを超える怪物。 ベリアルは逃げ惑う群衆など眼中にない様子で、一軒の露店を掴み上げた。 次の瞬間、その屋台は砂のように崩れ始めた。 木材も、布も、並べられていた雑貨も。 触れられた全てが色を失い、灰となって夜風へ溶けていく。『脆い』 ベリアルは掌に残った灰を見つめ、退屈そうに呟いた。『価値無き器は、触れるだけで崩れる』 言葉と同時に近くの露店を蹴散らす。 その風圧一つで、周囲のテントが舞い上がり、小さな瓦礫が飛び荒む。「皆さん、下がって!」 《硬》 カグヤが間髪入れずに札を切り、障壁を展開した。 それでも勢いがついた瓦礫は、その障壁すら突き破って襲いかかってくる。『先刻の人の子か。何をしに此処へ来た』「そんなの決まってるだろ! オマエを止めに来たんだ!」「街を壊すなんて、そんなの許さない!」『戯言を。貴様らのような無価値なデク人形に、我は倒せぬ』 ベリアルは俺たちを見下しながら、一歩踏み出す。 地面が大きく揺れ、思わず転びそうになる。『だがこの我に立ち向かう勇気、賞賛に値する。価値なき勇気だがな』「図体だけじゃなく、態度もデカいとはなァ。ハッキリ言って、私はアンタが嫌いだぜ」 ヴェルカは鼻で笑い、スカートの裾を豪快に引き裂いた。 そして先程のお返しと言わんばかりに右脚を踏み出し、ベリアルの顔を睨み上げた。「テメェにも教えてやるよ。人間サマの本気がどれくらい恐ろしいモノかをよォ!」『雑兵ほどよく吠えるものよ。まずは貴様から血祭りに上げてくれる』 巨大な拳が、ゆっくりと持ち上がる。「来るぞ!」 俺が叫ぶより早く、ベリアルの拳が大地に叩き付けられた。 轟音。 |石畳《いし

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